フランス語スタッフ・インタビュー

 何かと関係を深めていくと、誰であれ興味深い出来事に一度は出会うものです。今、このページをご覧になっている皆さんは、フランス語を最近始めた方から、私のように始めてから数年が経ってフランスについて少しずつ理解が深まってきている方、フランスについてかなり詳しい方まで、様々だと思います。時間が長いほど出来事も多いですが、始めて間もない方にも印象深い経験はあります。始めたきっかけなどがそうですね。
 もちろん、この事は先生方、スタッフの皆さんにも同様です。そこで、スタッフの皆さんに、そういった出来事、エピソード、きっかけなどを中心にインタビューをしました!

 インタビューの内容は以下の通りです! 聞いてみたい気になる質問を挙げてみました。

1 フランス語を学んでよかったと思ったさりげない一瞬を教えてください。

2 フランスにいた時の話で、面白かった、または印象に残ったことを教えてください。

3 好きなフランス語の表現(ことわざや格言など)はありますか?

4 好きなフランス映画はなんですか? その理由も教えてください。

5 一番最初のフランス/フランス語との接触(フランス語であることを意識した時)をおしえてください。

6 これからフランスについて理解を深めたいと思っている人に何かアドバイスをお願いします。

7 フランス語を教えるうえで大切にしていることは何ですか? また、フランス語を学ぶうえで学生に大切にしてほしいことはありますか?

8 フランスやフランス語の魅力を教えてください。

 これらの質問の中から、いくつかをスタッフの方に答えていただきました。それでは、早速インタビューの内容に入っていきましょう!

注:以下のインタビューで、スタッフの方の回答の前についている数字は、上の質問の番号と一致しています。


泉谷 安規 先生

2) もう20年くらい前のことになるが、最初の留学時、パリに到着早々、モンパルナス界隈を散策していた時のことである。コートを着た中年のおじさんとすれ違った。真夏の暑い盛りなのに不思議なことよ、と思ってよく見たら、下半身は、靴と靴下ははいていたが、ズボンははいておらず、脛毛が丸出しだった。そうなのです、このおじさんは「露出狂」のおじさんだったんですね。(間違っていたらごめんなさい、変態おじさん!)白昼堂々、人通りの多い場所でのこの遭遇に、カルチャーショックを受けた。話はこれで終わらない。このおじさんのすぐ近くを婦人警官が通っていたが、この婦人警官はおじさんに注意するどころか、ごくあたりまえといった顔で通り過ぎて行ってしまった。二重のショック!!「自由の国フランス、万歳!」古き良き時代の話である。

3)《Parmi l'énumération nombreuse des droits de l'homme que la sagesse duⅩⅨe siècle a recommencée si souvent et si complaisamment, deux assez importants ont été oubliés, qui sont le droit de se contredire et le droit de s'en aller.》Baudelaire, Edgar Poe, sa vie et ses œuvres.
昔読んでしたたか感心させられ、記憶に残っている一節である。ボードレール特有の逆説と《mystification》に包まれながら、深いところで本質を衝いた言葉である。この二つの「権利」が忘却され、禁止されてきたことによって、いかに人間が矮小になったことか。が、今回、この言葉を引用するために、確認したところ、こちらの記憶違いがあることがわかった。後半の《s'en aller》だが、《mentir》かその類の語だと思っていたのである。今読み返してみると、《s'en aller》ではいただけないような気がするが、このボードレールの文章はポーの夭折について語っている《contexte》があることを言い添えます。

泉谷先生、ありがとうございました。


JANSON Michel(ジャンソン・ミシェル) 先生

3) 好きなフランス語の表現 Ça va.
 好きなフランス語のフレーズ
   Pas (=IL n'y a pas) de roses sans épines.(トゲのない薔薇はない)

4) 好きなフランス映画。またその理由。
   “Un été 42” 明るいからです。

 ジャンソン先生、ありがとうございました。


工藤 貴子 先生

1) さりげない一瞬: 自分の外見と「フランス語」のイメージとのギャップに、相手が一瞬のけぞるのを見るとき。
           (ただし、こちらの機嫌が悪い時は少し傷つく。)
            これで初対面の人とも少しは間が持つ。
   重大な一瞬: 音楽もスポーツも気晴らしにならないとき、フランス語の100本ノック(あくまでたとえです)をすると、頭がすっきりする。

3) ミシェル・ド・モンテーニュの≪Que sais-je?≫「我、何をか知らんや」もちろん、この後には「何も知らないではないか」というニュアンスが含まれています。学問にも、人間にも、人生そのものにも、常に自分への戒めとして意識しています。

5) 子供のころ好きで見ていたアニメは、だいたいフランスが舞台だったこと。その時はもちろんスナック菓子片手にボケーっと見ていただけですが、再(・再・再?)放送で主題歌にフランス語が使われているのを聞き、「おおお!こんな意味だったのか!」とよく感動していた。好きなアニメって、オトナになってもつい見てしまいますよね?ね?

 工藤先生、ありがとうございました。


熊野 真規子 先生

1) さりげない一瞬ではありませんが…
   字幕にたよらずフランス語の映画を見られるようになった時。
   日本語字幕に訳されていない表現や、字幕に誤訳を発見した時は特に。

3) “C'est la vie.” (人生ってそんなものさ)、とよくフランス人が肩をすくめて言う言葉。
   「あきらめ」の表現だと思っていましたが、「状況をまずは受け入れ、前を向いて生きていく」意志が潜んでいるんじゃないかと、たくさんの映画を見ているうちに気づきました。

5) 父の勤務していた病院で、フランス人神父による慰問クリスマス・パーティーがあった時、「フレール・ジャック」を歌った(歌わされた?)こと(J'avais 3 ans. /3才でした)。

 熊野先生、ありがとうございました。


小笠原 淑子 先生

2) 同じコーラスのメンバーの女性に、あなたボーイフレンドいないのと聞かれ、(本当はいたけど)「そう、いい人紹介してください」と日本的な返事をしたら、「そのくらい自分で探しなさいよ!」とばっさり切り返されました。

3) Si tu pleures, tu pleures tout(e) seul(e), mais si tu souris, tout le monde sourit avec toi.
Jane Birkin のお母さんがよく言っていたそうで、英語からの訳かもしれません。「泣いたら、一人ぼっちで泣くことになるけれど、微笑んだら、みんなが一緒に微笑んでくれる。」たいてい一人で暗くめそめそすることを選んでしまう私には、はっとさせられる言葉でした。

5) テレビの映画番組で見たフランス映画でしょうか。アラン・ドロンやミレイユ・ダルクが、子供心にもとても「おフランス」に見えました。20代中頃までフランスは「おフラーンス」過ぎて、近寄りがたかったです。

 小笠原先生、ありがとうございました。


これからも、スタッフの皆さんのインタビューは追加・更新されていきます。お見逃しなく!!
残りの質問についてはスタッフリレーコラムにて書いてくださるそうです。楽しみに待ちましょう!

(インタビュアー:欧米文化コース3年 Agnès I., Emma N., Raoul.S/編集Raoul S.)