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研究科長あいさつ

北東北における大学院教育の主要拠点としての人文社会科学研究科

研究科長 飯島 裕胤 研究科長 飯島 裕胤(いいじま ひろつぐ)

 弘前大学大学院人文社会科学研究科(修士課程)は、1999年4月に設立されました。以来20年以上にわたって、人文社会科学分野の高度専門人材を数多く輩出し、北東北地域における人文社会科学系の大学院修士課程教育の主要拠点の一つとしての責務を果たしてきました。
 本研究科は、考古学、文学、芸術学、哲学、歴史学、言語学、国際地域学、法学、政治学、経済学、会計学など、人文社会科学分野のほとんど全ての専門分野を網羅しています。そうした環境の下で、学生はさまざまな講義や演習を受け、自らの関心に沿ってテーマを選んでいます。
 学生の研究はきわめて多彩です。ある学生は、出土する「酒器」の分布や関連資料から、それらが流通した当時の社会的状況を描き出しています。またある学生は、「長時間労働」に対する法の課題を、膨大な過去の論文・判例と現実の職務変化とを照合させながら明らかにしています。いずれも確固とした視点をもって丹念に研究されており、高い評価の下に学位が授与されています。
 これらの研究には、もう一つ特徴が見受けられます。すなわち、領域横断的な思考がみられることです。物事を一つ見れば、関連する事項が次々と生じるものですが、それを一過性の興味に終わらせず、多様な教員の専門的知見・方法論も活用しながら、興味を学問的なテーマに変えて研究を進めています。
 2020年4月、本研究科は改組を経て新しく設置されました。その目的は、従来から研究科が持っていた、専門を究め、領域横断的に思考するという特徴を、より明示的に大学院の教育カリキュラムに反映させることにあります。専攻を「人文社会科学専攻」一つにまとめて100以上の専門科目を開くとともに、新たに多領域横断型科目(現代の主要テーマを多様な学問分野から検討する講義・演習科目)を設けたことは、その一例です。また、学生の多彩な研究を披露する論文報告会もより強化され、より活発な学際的議論の場になっています。
 現代は情報分野をはじめとする科学技術が急速に進んでいますが、一方で、さまざまな社会的課題が解決されないまま残っています。地球環境問題、富や教育の格差問題は、改善しているとは言い難い状況です。人類はこのままなし崩しに進むのではなく、人間の営みそのものを深く考えた上で、技術を活用するべきです。人文社会科学分野の学問を専門的に究めることは、この人類全体の課題に、直接応えるものです。また、物事を領域横断的に考えることは、解決の道筋をより強く、豊かにします。
 新しい人文社会科学研究科は、学究的環境に恵まれた弘前の地で、専門的知識と技能を身につけ、幅広い視野と領域横断的な思考・分析によって社会の諸課題に取り組むことのできる人材を育成することを目指します。

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