成田彦栄氏考古・アイヌ民族資料
         (成田コレクション)の研究


 平成20(2008)年より亀ヶ岡文化の優れた資料の図
版化を目的に成田彦栄氏(1898〜1959)が収集した資
料約300点を実測し、特別展「成田コレクションにみる
縄文の造形」を開催し、氏の死後初めて公開するとと
もに、『成田彦栄氏考古・アイヌ民族資料図録』を刊行
しました。これを機に2009年7月、氏のご遺族から弘前
大学に成田彦栄氏旧蔵考古資料(約6500点)・アイヌ
(約30点)および考古関係文献(約2000冊)が寄贈され
ました。
寄贈された資料は、 青森県立郷土館所蔵の風韻堂
(大高)コレクションや、八戸市是川遺跡出土品(泉山コ
レクション)とならび、考古資料の個人コレクションとし
ては、青森県内はもとより全国的にも屈指の個人コレク
ションです。なお文献資料を中心としたコレクションの
一部は青森県立郷土館に所蔵されています。
 成田彦栄氏は、 青森県北津軽郡沿川村舘野越(現板
柳町)に生まれ、医業の傍ら、昭和7年(1932)、日本
人類学会・日本考古学会に入会し、考古学の造詣を深
めました。その間、明治期の青森考古学の先駆者であ
る佐藤蔀をはじめとする青森県内の考古資料の所蔵家
との交流を深めました。また戦後、慶應義塾大学の三
内丸山遺跡や亀ヶ岡遺跡発掘調査を手引きしたほか、
佐藤蔀旧蔵資料をはじめとする流出する資料の保護と収
集に努めました。

 弘前大学では寄贈後に資料の整理と分析を進めた結
果、東京人類学会雑誌に報告された遮光器土偶原画を
含む『佐藤蔀画譜』や、エドワード・S・モースが記し
た大森貝塚の報告書、蓑虫山人筆『陸奥全国神代石并
古陶之図』など青森県の考古・歴史学の歴史を知るう
えで重要な資料であるのみならず、日本の考古学の歴
史上重要な資料が含まれていることが分かりました。資
料は研究のみならず、学生の実物を使った学習の場とし
ても利用されています。
 なお、資料は人文社会科学部北日本考古学研究セン
ターで、毎年秋の特別展の際に一般に限定公開されて
います。

成田コレクション
佐藤蔀画譜