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「外国人用地震災害基礎語彙100」の概要



 「外国人用地震災害基礎語彙100」とは何か
 なぜ「やさしい日本語」版を作ったか
 100語をどのように選んだか
 100語を何から選んだか
 100語をどのように言い換えたか
 「やさしい日本語」版の利用方法



「外国人用地震災害基礎語彙100」とは何か

 「外国人用地震災害基礎語彙100」は、地震が起きたときに必要となる地震災害に関する重要語リストです。初級の日本語教育で外国人が学習する日本語能力試験3級と4だけでなく、1級と2級および級外の語も含んでいます。
 「『やさしい日本語』版災害基礎語彙100」では、1級と2級および級外の語を、「やさしい日本語」を用いた表現に言い換えています。「やさしい日本語」とは、日本語能力が初級の外国人にも理解できる、日本語能力試験3・4級程度の語彙や文法を用いた簡単な日本語のことです。


なぜ「やさしい日本語」版を作ったか

 「外国人用地震災害基礎語彙100」にある語は、日本人なら知っていて当然のものですが、日本語能力が初級の外国人にとっては理解することのできない語も多く含まれています。そのため、外国人被災者が災害時に必要な情報を理解できず、適切な行動を取ることができないという問題があります。
 しかし、災害時に役立つからといって日常生活であまり使用しない語をすべて覚えることは、初級外国人にとって大きな負担となります。
 外国人被災者が安全な場所へ移動し、被災者として適切な行動をとれるようになるには「何が起きたか」や「どうすればいいか」を、彼らが理解できる表現で的確に伝える必要があります。

 そこで、「やさしい日本語」を用いた言い換えリストを作ることにしました。難しい語を簡単な語に言い換えることで、初級外国人も自らの語彙力のみで災害時に適切な行動をとれるようになります。
 また、このリストを使用することにより、情報を伝える側の人も外国人被災者の避難行動を簡便に促せるようになることを期待しています。


100語をどのように選んだか

 災害発生時には、小学生でも自分の身を守る行動を起こします。これまでの調査から、小学生の持つ災害に関わる語彙量は、大きな災害が起きても自分の安全を確保するのに十分な量となっていることがわかっています。しかもそれらは、日本人にとって必要な災害語彙としての条件を満たしています。

 そこで、自分の身を守る必要最小限の語にはどのようなものがあるのかを知ることが、外国人被災者を救う最小限の語を選ぶことにつながると考え、日本人小学生の使用頻度が高い語を選出することにしました。その際、「やさしい日本語」が地震発生から72時間に伝えるべき情報の表現を整備していることをふまえました。ですから、「外国人用地震災害基礎語彙100」では、小学生の保有する災害語彙のうち、とくに災害直後の避難行動や対処行動についての語彙、またその行動のために必要な判断材料となる語彙、外国語での支援が始まるまでに必要な生活支援をする語彙について選別してあります。
 100語の選出過程については、
 佐藤和之(2009)「外国人被災者のための地震災害基礎語彙シソーラス試案」『「やさしい日本語」の構造』
 (弘前大学人文学部社会言語学研究室)を参照してください。
     →こちらからPDFファイルでダウンロードすることができます。

100語を何から選んだか

 「外国人用地震災害基礎語彙100」は、以下の2冊の作文集に収められている全作文157本 から選出しました。両作文集で使われた異なり語数は3.933語でした。

●『どっかんグラグラ』(兵庫県国語教育連盟, 1995)
 阪神淡路大震災(1995年)を経験した子供たちが書いた作文集です。兵庫県下の小学1年生から6年生までの作文105本が収められており、大都市の壊滅的被害を経験した子供たちの災害に関する表現が記録されています。

●『先生、地震だ』(田中, 1985)
 日本海中部地震(1983年)を経験した子供たちの作文集です。青森県(一部秋田県北)の日本海側にある小学校の1年生から6年生までの作文52本が収められていて、阪神淡路大震災についての作文集『どっかんグラグラ』で使われなかった海に関する子供たちの災害語彙を知ることができます。



100語をどのように言い換えたか

 「外国人用地震災害基礎語彙100」の語彙の難易度を日本語能力試験の級に当てはめると、100語中47語が級外および1・2級に相当します。それ以外の語は3・4級であり、3・4級の語は日本語教育を受けている外国人ならば初級日本語で学ぶことから、そのまま使用することができます。そこで、100語のうち約半数を占める級外および1・2級の語彙を「やさしい日本語」に言い換えました。

 言い換えた「やさしい日本語」には原則として3・4級の語を使用し、日本語初級の外国人留学生20人へのアンケート調査の結果から、高い割合で理解されたものを採用しました。また、級外および1・2級の語であっても、アンケート調査において高い割合で理解されたものについては言い換えずにそのまま使用しています。


「やさしい日本語」版の利用方法
 
 「『やさしい日本語』版災害基礎語彙100」の使い手は、外国人に対し地震発生後の情報を的確に伝えようとする人たちです。具体的には、市町村役場の担当者や消防、ボランティア団体、マスコミ、町内会の世話役といった皆さんを想定しています。
 災害の発生から72時間以内に必要となる情報を、ラジオの放送や防災無線、テレビの字幕スーパー、ポスターやビラといった媒体で発信するときに、活用することができます。「やさしい日本語」による原稿や文面を作成する際、参考にしてください。

◆「やさしい日本語」作成についての詳細は、以下の資料を参考にしてください。

○弘前大学人文学部社会言語学研究室(2005)『新版 災害が起こったときに外国人を助けるためのマニュアル』

○弘前大学人文学部社会言語学研究室(2010)『「やさしい日本語」作成のためのガイドライン』

○日本語読解学習支援システム リーディング チュウ太
 http://language.tiu.ac.jp/(外部リンク)

○「やさしい日本語」化支援システム やんしす
  http://www.spcom.ecei.tohoku.ac.jp/~aito/YANSIS/(外部リンク)

 「やんしす」の設計と構成については、
 伊藤彰則(2009)「「やさしい日本語」作成支援システム」『「やさしい日本語」の構造』
 (弘前大学人文学部社会言語学研究室)を参照ください。
     →こちらからPDFファイルでダウンロードすることができます。






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