公開実験「みんなで減災2005 in ひろさき‐災害情報を『やさしい日本語』で」


 趣 旨      

日本では、避難情報や救援情報を外国人に的確に伝えるための表現を用意してきませんでした。そのため、多くの外国人は災害発生後に適切な情報が得られず,二重に被災してしまうという事態が起きています。
 災害発生時に、いち早く安全な場所へ外国人被災者を誘導するとき、外国語だけでは不可能なことが95年の阪神淡路大震災や04年の中越地震から明らかになりました。
 この問題を解決するため、弘前大学人文学部社会言語学研究室と減災のための「やさしい日本語」研究会では大規模な災害が起きたときに外国人を安全な場所へ誘導する表現について検討してきました。その結果、発災直後の外国人の誘導には「やさしい日本語」を使うことが有効であり、行政にとっても、適切な情報を的確に伝えられることが明らかとなりました。私たちは、この「やさしい日本語」を行政やマスコミ、ボランティア団体の皆さんに安心して使ってもらえるよう、2003年より3ヶ年をかけて、さまざまな実験を重ねてきました。
 そこで本年の10月に、災害が起きたとき、外国人にも避難情報を的確に伝えられるのは「やさしい日本語」であることを多くの皆さんに知ってもらうための検証実験を公開で行うことにしました。
公開実験名は「みんなで減災2005 in ひろさき‐災害情報を『やさしい日本語』で」と題しました。参加者は、日本滞在歴1年未満の外国人100名です。今回はさらに、小学校低学年の日本人児童50名も参加します。これは、「やさしい日本語」が日本人(災害発生時に情報弱者になり得る人たち)にも有効なことを検証するためです。



 実施日時および場所

●実施日時
   平成17年10月23日(日)

●実施場所

時 刻 10月23日(日)
11:00〜12:00 小学生を対象にしたデモンストレーション 併設イベント

○消防・防災フェア

○縁日

○災害と情報パネル展

○やさしい日本語講習会

○炊き出し(非常食体験)
場所

*駐車場

*体育館内

*体育館内

*体育館内

*駐車場
12:00〜13:00 会場ツアー
13:00〜15:00 留学生を対象にしたデモンストレーション
15:00〜16:00 撤収・後片付け



 目 的      

通常の日本語(災害時に市町村広報や報道で使われる日本語)とやさしい日本語を比べ,やさしい日本語は災害時に有効であることを検証します。




 想定した災害の規模

  地震の想定

平成17年10月23日(日)午前9時頃、岩木山麓のごく浅い部分に発見された活断層を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生しました。

弘前市と中津軽郡を中心とするごく狭い範囲で最大震度6強が観測されました。

  県内の状況

  参加者の想定状況(想定時刻は午前9時5分)




 体験への参加者  

 外国人の参加者は弘前大学および青森中央学院大学の留学生で、いずれも店の人と会話しながら必要なものが買える程度の会話力を備えた留学生です(日本語能力試験でいうと2級から3級程度になります)。
 留学生の参加者については、簡易な日本語能力を測定する試験を事前に行うことにしました。これは,普通の日本語とやさしい日本語での避難行動を体験する二つのグループの日本語能力を同じくするためです。
 また、小学生の参加者は低学年としました。外国人のためのやさしい日本語は、災害発生時に、日本人であっても情報弱者となりやすい人たちにも伝わりやすいことを検証するためです。それぞれの体験参加者の動員見込みと属性は以下の通りです。

  1. 外国人参加者
      ●青森中央学院大学
        動員見込み :50名程度
        出 身 国  :中国,マレーシア,タイ,ベトナム,韓国,台湾
      ●弘前大学
        動員見込み :60名程度
        出 身 国  :中国,フランス,ドイツ,ルーマニア

  2. 小学生(低学年)参加者 動員見込み :50名程度



 実験の内容    

発災直後(発災後5分から30分)の自分の部屋を想定した聴解実験と避難所での生活(発災後12時間以降)を想定した読解実験を、ふつうの日本語で指示されて行動するグループとやさしい日本語で指示されて行動する二つのグループに分けて行います。
実験で用いる具体的な指示表現は、公平性を保つため、当日まで非公開としますが、おおむね以下のような表現です。(以下は2004年12月に東京農工大学で行われた予備実験で使われたものです。)

聴 解 実 験 用(ラジオなど耳で聞くもの  発災後 5〜30分)
戸の開閉確認 普通の日本語  もう一方のドアの開閉を確認してください
やさしい日本語  もうひとつのドアはあきますか。調べてください
携帯物の指示 普通の日本語  パスポートは常に携帯していてください
やさしい日本語  パスポートを忘れないでください
読 解 実 験 用(掲示物など目で見るもの  発災後 12時間)
ラジオの動作確認 普通の日本語  ラジオが使えることを確認してください
やさしい日本語  ラジオをつけてください
現在時刻の記録 普通の日本語  現在時刻をホワイトボードに記入してください
やさしい日本語  いま何時ですか。書いてください



 併催イベント   

屋外で行われるものは以下の通りです。
 ○消防・防災イベント(防災フェア)
起震車・消防車・救急車・救助工作車・防災グッズなどの展示、説明
 ○炊き出し・非常食体験イベント

 ○アップルウエーブ特設サテライト放送
やさしい日本語紹介のためのライブ放送

屋内で行われるものは以下の通りです。
 ○災害と情報についてのパネル展
やさしい日本語についてのQ&A、実用例、さまざまな自治体での取り組み例の紹介
 ○やさしい日本語説明会
やさしい日本語による放送用案文や掲示物の作成方法、読み方などについての講習会
 ○縁 日
留学生に日本の文化を理解し、親しんでもらうことを目的としたイベント



 問い合わせ先   

弘前大学人文学部社会言語学研究室(佐藤和之)
電 話 0172-39-3227   FAX 0172-39-3189
E-mail kokugo@cc.hirosaki-u.ac.jp


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