弘前大学人文社会科学部
文化創生課程 多文化共生コース


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ゼミ・研究室紹介

現代中国論研究室/城本 るみ(教授)

現代中国論について

 みなさんは「中国」と聴いて、どのようなことを思い浮かべるでしょうか。あるいは中国に対して、どのようなイメージをもち、そのイメージがどのようにつくられたものか、考えたことがあるでしょうか。私たちがある国に対してもつイメージは、メディアなどを通していつのまにか漠然とつくられていることが多いものです。中国について「なんとなく」感じていることはあっても、「自分がなぜそう思っているのか」ということを、きちんと説明できる人はそれほど多くないように思います。
 主観的な好き嫌いではなく、「自分はなぜそう思うのか」ということを理路整然と述べることができるようになるためには、さまざまな角度から物事を見ていく視座や豊富な知識、そして教養を身に着けることが大事です。そうした教養が中国のみならず、国際社会で起きるさまざまな出来事を正しく理解することの基盤になります。そしてそうした多様な出来事から「では自分はどのように生きていくのか」という思考につなげていくことが「多文化共生」のありかたにつながっていくのではないかと考えています。
 現代中国についての理解を深め、それを論理的に説明できるようになることが「現代中国論」の目指すところといえるでしょう。

研究関心について

 私のこれまでの研究関心はおもに高齢者福祉にありました。中華圏における社会福祉領域のテーマ全般に関心をもちながら、おもに中国や台湾における高齢者福祉に関する問題を扱ってきました。近年は「病気と社会」の関係について考えながら、人と人のつながりや「共生社会」のありかたについて模索しています。

担当授業について

 担当している授業(地域基礎論B・アジア地域学B)では、社会主義国家としての中国の形成過程や、その成り立ちにおける台湾や日本を中心とする諸外国との関係に注目しながら扱っています。また経済発展してきた現代の中国社会が抱える課題などをとりあげ、中国を客観的・総論的に見ることによって、「では日本社会はどうなのか」と相対的に考える視点をもつようになることを目指しています。

ゼミナールについて

 上記したような専門科目を受講してもらい、中国に関する基礎的な知識を幅広く学習しておくことがゼミ参加につながります。ゼミナールでは各人が中国について関心のあるテーマを決め、ゼミ所属後の2年をかけて卒業研究に取り組んでいきます。1年目(3年次)はさまざまな本を読み、意見交換をしながらテーマを探していきます。アドバイスはしますが、教員がテーマを決めることはありません。あくまでも自分の関心に基づいてテーマを選択し、卒業研究のタイトルを自身で決めて骨格をつくっていきます。そして2年目(4年次)に卒業論文の執筆に取り組んでいきます。
 ある国や地域について理解するということは、裏を返せば自分の国や住んでいる地域のことを客観的に見つめることにもつながります。そういう「物事の見方」について考えていくことをゼミのテーマにしています。みなさんとお会いできることを楽しみにしています。

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