ハラル

ここ数年、日本でも広まっている「ハラル」という言葉。
皆さんはご存じですか?

ハラルとは、アラビア語で「許されている」という意味。
一般的には、イスラム法上食べることが許されている食材や料理のことを指します。
最近は日本でも、ハラルメニューを提供する大学の食堂が増えているのを耳にします。

イスラム教で禁止なものといえばアルコールや豚肉などが代表的ですが、先日マクドナルドで、トレーにこんな紙が敷いてあるのを見つけました。


≪ NOS VIANDES DE POULET SONT CERTIFIEES HALAL ≫
(私たちが提供する鶏肉はハラル認証されています)

「あれ?鶏肉はわざわざ認証されなくても食べていいものじゃないの?」 と思った方もいるでしょう。
実は、豚肉など禁止されているもの以外の食肉であっても、ハラルとされるためには色々な決まりがあるのです。

それは、育て方や、と畜方法。
家畜はハラルに違反しない餌を用いて育てなければならず、と畜するときはイスラム法に則った方法で行う必要があります。
その方法とは、ムスリムが「ビスミッラー、アッラーアクバル」(アッラーの御名において、アッラーは偉大なり)と唱えながら、鋭利な刃物で首を切るというもの。
食肉加工がなされた後に、豚肉と一緒に輸送されることも禁止されています。

というわけで、このハラル認証は、鶏肉がこれらの方法に則って作られたものであるということを、表していることになります。

比較的ゆるいモロッコでは、人によって対応はさまざま。
豚肉そのものを食べるモロッコ人にはまだ出会ったことはありませんが、豚由来成分の入ったゼラチンを使ったお菓子を食べる人や、外国でハラル認証を受けていない牛肉などを食べる人は少なくありません。
一方で、リキュールの入ったチョコレートを食べなかったり、一度豚肉に触れた食器や調理器具は汚れたものとして二度と使わなかったりする敬虔な人もいます。

マクドナルドのような世界中に進出している企業では、国によって豚などのハラルでない食材を使っている店舗もあります。
そう考えると、モロッコで展開している店舗がハラル認証を受けていることは、敬虔なイスラム教徒でも安心して食べることができるので、企業と消費者の双方にとってメリットがあると感じました。
と畜の方法などが違う日本で同様のことを行うのは難しいと思いますが、たとえばメニューに豚マークをつけるなど、小さな取り組みからもっと広まっていけばいいなと思います。




2018年2月15日