フランス滞在記2009-2010

2010.11.16 理工学部研究科 1年 滝 将太

1、はじめに
僕は2009年9月から2010年10月までフランスはボルドーにあるボルドー第三大学に附属する語学センター通称DEFLEに語学留学をしていました。1年近く日本を離れて生活することがどういうことなのか、実際に留学とはどういうものか、いろいろな人に伝えたくて筆を取りました。また留学や海外進出を考えている人たちのために、少しでも力になれれば、とも思います。多分に偏見や独自の解釈が含まれているので、実際に経験や体験したときの感じ方は違うかもしれませんが、そういう見方もできると思っていただけると嬉しいです。また、書き方はとてもていねいかと思いきや、突然砕けたりするので、多めに見てもらえると恐縮です。さらに話したいことが山ほどあるので話がよく脱線していきますが、重要でない箇所は読み飛ばしていただいても構いません。

シャルル・ド・ゴール空港内 ボルドー・メリニャック空港

2、自分自身について
海外の世界観を語る前に、前述のとおり人によって物事の捉え方は違います。なので、最初に行った人間がどういう人だったかを書いておこうと思います。
僕は高校を出るまで名古屋で育ち、弘前の地を初めて踏んだのは大学生からです。専攻は理工学部の電子情報システム工学科に2005年に入学しました。そして遊びやバイト、サークルに呆けた学部時代を無事に2009年3月に卒業して、同年4月、同大学の大学院に入りました。
気づいたと思いますが、自分は人文や教育の生徒ではありません。さらに、大学院生のときにボルドー第三大学に留学しました。もちろん、弘前大学の交換留学生として、です。大学院の研究でフランス語を使うから留学したというふうでもありません。では、なぜそんな自分が留学したか。よく聞かれるんですが、動機はあまり大きい声で言えたものではありません。理由は単純、「人生のバカンス」というどうしようもない動機だからです。日本で働き始めると長期の休みは取れなくなります。長くても1週間ほど、しかも年末年始とお盆だけ。その期間で留学することは到底無理です。それではただの’’旅行’’になってしまいます。それなら、と重い腰を上げ、留学するに至りました。もちろん海外には興味があったのでずっと行きたいとは思っていたんですが、いかんせん学部時代はバカなことがおもしろかったので、なかなか行く気にはなりませんでした。学部を卒業して周りの人間も社会に出始め、頃合いを見計らっていたら、結果的に院生になってしまったというわけです。
ほら、あまりいい理由ではないでしょ?それでも、1年間全く知らない土地でもどうにかやっていき、今ここに至ります。大学院の授業は前期(2009年)を終えて1年間休学し、2010年の後期から復学しているので、今は修士課程の1年生ということになります。
さて、僕の情報にあきてきたところで、次に話題に移りましょう。

フランス人の友達とのバーコン兼ピクニック クラスメイト(アメリカ人)の妻とその家族(右)

3、どうしてヨーロッパ・フランスを選んだか
これもまた動機が不純すぎます。まず、もともと自分が留学したいと思っていた国は英語圏でした。アメリカやオーストラリアなどを考えていましたが、今のご時世英語圏に留学経験(短期含む)の経験がある人はゴマンといます。さらに就職で英語を武器にしたいと言っても、たかが1年間ほどの留学での英語を企業は’’武器’’としては見てくれません。自分も武器にする気は全くなかったので、そういうことなら違う言語をやってみようと思い立ち、フランス語を選びました。さらに英語は中高大と計7年近くもやっています。よく日本人は英語はしゃべれないと言いますが、簡単な会話ならできるでしょう?「How are you? What’s going on?」と聞かれて「It’s my table.」と答える人はいないはずです。本当にしゃべれないというのは、何言ってるか全く理解出来ないことだと自分は思います。...少し話がそれました。
では、なぜフランスか、それは単純にヨーロッパと聞いて一番先に思い浮かんだのがフランスだからです。ドイツだったらドイツに行っていたと思うし、韓国に興味があれば韓国を選んでいたはずです。だからフランスにしたコレといっての大きな理由は特にありません。あるっちゃあ、あるんですがここには載せられそうにないので割愛させていただきます。また、ヨーロッパは陸続きで、いろんな国が隣り合っているというところに引かれた面もあります。電車で、車で、自転車で国境を超える。日本では経験できないことですよね?
余談ですが、英語を公用語にしているところは実はヨーロッパ大陸ではありません。それじゃあ、大英帝国・イングランドはどうなるんだと言われると、あそこは日本と同じで島国です。さらにEUに加盟もしていないので、独自の文化や通貨を守っていて、またヨーロッパとは違った空気を味わえます。

大英博物館(イングランド) 昼間からお茶じゃなく’’おビール’’する貴婦人(ドイツ)

都会の中心にある大聖堂ドゥオーモ(イタリア) おもちゃ箱のような街並みのエーゲ海(ギリシャ)

フランス滞在記 フランス滞在記

4、渡仏の準備
まずはなんといってもパスポート、これがないとお話になりません。発行まで最低2週間ほどかかるので注意。パスポートが終わればビザの準備。これは今年度からシステムが変わって旅行代理店で取得できなくなったようです。ですので自ら直接在日フランス大使館まで取りに行かなければなりません。ビザが下りるまでは1ヶ月以上かかってしまう場合もあるのでできるだけ早めに取得したほうが無難です。また現地でCAFというフランス政府が提供している外国人のための居住手当の申請や、現地で取得しなければいけない滞在許可証を得る際に、日本の戸籍標本原本とその仏訳が必要になってくるので、それも忘れずに作っておきましょう。その他にボルドー第三大学の入学許可証の取得、学生寮(village)の手続きも必要になってきます。これら書類に関しては人文学部のジャンソン・ミシェル先生に相談するといいと思います。僕も相当お世話になりました。気をつけないといけないのが、夏のバカンス。7・8月になると向こうの大学関係の窓口は全部しまってしまいます。7月まで手続きを済ませておかないとめんどくさいことになりかねないので、十分にご注意を。そして、保険。予め日本で入っていくこともできますが、DEFLEに入るときに一緒に向こうの国民保険(198€/年)に入ることもできます。日本の保険よりも格安で、歯以外はほとんどタダで適応されるので、僕は日本の保険には入らず、現地で入りました。
さて、書類関係と同時進行で荷物の話もしましょう。まずは電化製品について。ヨーロッパ圏は基本的に電圧とプラグの形が違います。変圧器を買って行った人もいるそうですが、重いし高いし一苦労です。日本の電化製品は変圧器を使わなくても大丈夫な場合があります。デジカメや携帯の充電器、PCなどしっかりとどの電圧まで使えるか記載されているので、変換プラグ(¥100-200程度)で買えるので、それをいくつか持って行くといいです。携帯は海外でも使えるものを持って行ってもいいですが、通話料は1分100円以上したり、ほとんど使わなかったりするので、あまり必要はないです。インターネットも使えるのでSKYPEで連絡を取ったり、携帯もすぐにプリペイド式のを購入すると思います。
次に衣服。おしゃれの国フランス、というイメージとは裏腹に全体的に見て、おしゃれをしている人はほとんどいません。向こうに行けば体感すると思いますが、世界で一番おしゃれな人種は日本人だと気づくはずです。なので、服装は必要最低限のもので構いません。特に国際宅急便はダンボール一箱送るのに数万円します。賢い方法としては、「捨ててもいい衣服」を持っていくのが一番です。帰りはおみやげなどで荷物が重くなるので、できるだけ軽くしていったほうがいいです。また向こうではH&MやZARAなど安価で衣服が買えるお店もたくさんあるので、持って行くよりも買ったほうが安くすむ場合もあります。気候的な問題としては、弘前よりも冬はそこまで寒くない、と思っておけば大丈夫です。
手土産に扇子や折り紙、手ぬぐいなどを持って行くと喜ばれる、と聞きますが、ホームステイじゃない限り特に必要はありません。極端な話、ボルドーにも日本のモノを扱った専門店もあるので、そこで購入することもできます。もちろん、値段は日本で買う時とは比べものにならないほど高いですが...。
薬は基本的にフランス国内に持ち込めません。食べ物も同様です。が、ほとんどの日本人がこっそりと持ち込んでいます。検閲で取られる場合もあるみたいですが、あまり聞きません。ただ言ってみれば違法なので、推奨はできないのは大人の事情として分かってください。
食べ物の話が出たので、その話も。ボルドーにもいくつかのアジア雑貨・食品を取り扱ったお店もあります。日本食から中国、韓国...お店を経営している人たちは基本的に中国人ですが、お客さんはフランス人にアジア人と様々です。交換留学生も日本食を求め定期的に買いに行っている人たちもいました。また日本からの増援物資ということでインスタント食品や日本食を送ってもらっている人もいます。ただ、僕個人的な意見を言わせてもらうと、「たかだか1年弱しかいないのに、わざわざ高いお金を払ってまでフランスで日本食を食べる必要があるのか」です。もちろん自分も日本食を向こうで食べましたし、恋しくなる時もありましたが、長い人生80年で1年くらい日本食を食べなくたって生きていけます。それにフランスにいるんだからフランスの食材で調理しないで、本当にフランスにいた、と言えますか?郷に入れば郷に従え、そういうことを体験できるのもフランスにいる間だけです。今ではバゲットやうさぎの肉なんか恋しいです。
そして最後に心の準備。海外初めてだから怖いし不安><と思う人もいると思います。フランス人の仕事のしなさぶりにイライラしたり、スキンシップの多さに戸惑うこともあると思いますが、心を広く、どっしり構えて何事にも動じないような心構えで臨むといいです。「フランスにいるんだから仕方がない」と思えるようになればたいしたもんです。逆にその状況を楽しめるようになれたのなら、もう立派なフランス人ですよ。
余談。フランスといえばLOUIS-VUITTONやHERMESなどのブランド物が有名ですが、そこのお店に入ってびっくり、お客さんは9割以上が日本人か中国人。それはなぜか?実はそういう’’ブランド物’’を購入するフランス人は本当の意味での’’金持ち’’です。会社をいくつも持っていたり、大株主だったり、日本みたく高校生が持つものではなく、向こうではブランド物を持っている=金持ちというイメージがあります。また、服にお金をかける人もお金持ちのイメージがあります。服にお金をかけおしゃれをして、ブランド物のバックに財布を持っている、ということはお金持ちだ!と思うわけです。日本人って、お金持ちじゃなくてもそんな感じがしませんか?そういう傾向があるので日本人は置き引きやスリ、ぼったくりの被害にあうことが多いのです。彼らからしてみれば日本人はわかりやすい’’金持ち’’なのです。向こうの学生が空港でどういう格好をしているかわかりますか?自分たちと同年代の女の子がキャミソールにホットパンツ、ビーサンに汚らしいバックパックを背負っている。5歳児にとっても、どっちがお金を持ってそうかは一目瞭然ですよね?もちろん、それでも被害を受ける人はいます。ジャージにパーカーを来て100均の財布を持っていたって被害にあうときもあります。では、どうすればいいか?答えは簡単、みんな小学1年生の道徳の時間で習っているはずです。「知らない人にはついていかない」「自分の荷物は自分で見る」オトナになると親切にしてくれた人を簡単に信じたり、自分の荷物を友達に見ててもらうようになるのは、なんででしょうかねぇ...?

塩と胡椒 初めての自炊

5、ボルドーについて
フランスといえば真っ先に思い浮かぶものはなんですか?ジダン総統が率いるサッカー、自転車といえばツール・ド・フランス、美食と愛の国、パリコレ、ベルばら...。どれも間違いではありません。自分が真っ先に思い浮かんだのは「金髪美女」でした。前大統領のシラク氏はとても親日家だったことでも有名です。愛犬の名前はスモちゃん、相撲から来ていたり、柔道人口は日本の倍以上、漫画の消費量は日本を除くと、世界でダントツの1位、アニメやコスプレ、JAPAN EXPOといったいわゆる’’オタク’’の祭典も2010年7月に10周年を迎えたほど、日本に興味を持っている一面もあります。今、フランス人に日本のイメージについて聞くと、アニメ・漫画・秋葉原の3拍子と答えます。舞妓・神社寺院・富士山と言われた日本はもう過去のものです。
さてそんなフランスの南西部に位置するのがボルドーBordeauxです。街の規模でフランス第9位ほどを誇る適度に都会、適度に田舎のとても住みやすい街です。日本でたとえるならば広島、くらいでしょうか。緯度は日本の函館と同じくらいです。それじゃあ、寒いのかと言われると、年中温暖と言っても過言ではなく、メキシコ湾海流とかそんなのの影響で、雪はほとんど降りません。そこまで暑くなく、湿度が低い分カラッとした気持ちの良い暑さを体験できます。サマータイムも導入される夏は夜10時をすぎても明るいので、まさしくバカンス日和が続きます。
ボルドーといえば某農大を舞台にした漫画でも取り上げられたようで、ワインが有名です(書かれていたのはブルゴーニュワインについてでしたが...)。スーパーでも驚くほどのワインが所狭しと置かれ、一番安いものだと1€しないものもあります。僕も行った当初はワインはあまり飲んだことがありませんでしたが、帰国する頃にはすっかりワインに飲まれるようになりました。
ボルドーは2007年に世界遺産に登録されたばかりで、月の都、と呼ばれたりすることもあるようです。ボルドーで有名なガロンヌ川が三日月の形をしていて、それに並走するようにトラム(路面電車)が走っている光景は、とても素敵なものです。ここ数年ヨーロッパではトラムの建築ラッシュで、ヨーロッパ各国で路面電車を見ることができます。景観法に則り、地下鉄ではなく電気で走るトラムを作るのがいわゆる世界的なエコブームの裏付けにもなっているのでしょうか。そういえば広島にも路面電車がありますね...。
またボルドーは大学の影響もあってか多くの移民・留学生が住んでいます。街でもよくアジア人とすれ違うこともありますが、その多くは中国人です。話しかけても日本語は通じないし、また逆に中国語で話し掛かられることもありますよ。1億の人口に対して13億なら当たり前ですよね。誰が中国人で誰が日本人か、向こうに住んでいるとそれがわかるようになるんですよ、不思議。

ボルドー郊外の青空 ボルドー中心部の青空

サンタンドレ大聖堂 ボルドー市役所

ガロンヌ川沿いに停泊する豪華客船 カンコンス広場のモニュメント

カンコンス広場に不定期で来るサーカス ボルドーの街中を縦横無尽に走るトラム

6、ボルドー第三大学
基本的にフランスの大学は第○大学とついているものが多いです。ボルドーも第一から第四まであって、では、実際何が違うかというと、簡単に言って専攻です。ボルドー第一は理系専攻、第二は医薬科学専攻、第三は言語学専攻、第四は法経済学専攻...と、言ったように’’数字’’によって専攻が違ってくるようです。世界的にも有名なパリ大学は第十三まであるようで...。さて、ボルドー第三大学はフランス国内でも有数の日本語学科がある大学です。特に昨今は漫画やアニメの影響で、日本語学を志望する学生も数多く、1年生となると200人を越すほどです。
また、歴史も100年以上ある大学で、’’3M’’(モンテーニュ・モンテスキュー・モーリアック)もここの学び舎で勉強してたという側面もあります。
さて、そんなボルドー第三大学と十数年前から姉妹校提携をしている弘前大学、他にも世界各国と姉妹校を結んでいて、日本の他大学とも交流があります。近場から言ってお隣り岩手大学、新潟大学、名古屋外国語大学、西日本は岡山大学、熊本大学、立命館大学なども交流があります。
基本的に弘前大学などの姉妹校から留学してくる学生はボルドー第三大学に附属している語学留学生センター、通称DEFLE(Département des Etudes Français Langue Etrangère)でフランス語を学ぶことになります。最初の説明会でペーパーテストに面接を受けてクラス分けをします。初級者のクラスは初級者レベルのIL(Initiation Langue)に、大学や専門学校に入るためのクラスDEGREがあります。さらにそこからレベル分けがされ、僕がいたときはILは1~6クラス、DEGREは1~4クラスありました。その年の人数によって多少増えたり減ったりしているようです。ちなみに、テストで白紙、面接では「?」状態だった僕は見事に一番の初級者IL1に配属されました。ただ、初級者と一言でくくってもそのレベルはまちまちです。同じILにベラルーシ出身のプロボクサーもいましたが、彼はかなり話せるレベルでした。フランスに2年滞在している人のことで、話せることは話せるのですが、読み書きは全くできず、結果、IL1に配属されたのことでした。
授業はILは会話中心のいわゆる日常を暮らしていくための勉強で、DEGREはしゃべる機会はあまりない大学の講義形式です。もちろんすべてフランス語ですので、英語は使えません。英語でしゃべると嫌な顔をする先生もいましたし、中には英語が全くわからない先生もいます。僕の場合、同じクラスの人はほとんどフランス語がしゃべれなかったので、生徒同士では最初、英語でコミュニケーションを取ったりすることもありました。英語をしゃべれない生徒もいます、極稀ですが...。

留学生たちが通う学び舎DEFLE 昼時は賑わう学内にある食堂の一つΣirtaki

DEFLEのクラスメイトと先生たちと DEFLEのクラスメイトと先生たちと

ボルドー第三大学の日本語学科の学生たちと ボルドー第三大学の日本語学科の学生たちと

ボルドー大学の生徒たち ボルドー大学の生徒たち

7、居住状況
交換留学生は基本的に大学の敷地内にある学生寮villageに入ることになります。Villageは1~6まであり、大体4~5階建て、ぞれぞれにA棟B棟C棟...とあり、とてつもない数の人間・人種が住んでいます。基本的に男女共同で築半世紀以上のtraditionnelと最近改築されたrenoveと2種類あります。前者の古い方ははっきりいって汚いです。トイレもシャワーもキッチンも共同。壁は薄くて、部屋には戸棚と机、いす、ベット、洗面所しかありません。まさしく昔ながらの寮ですね。ここは家賃が130€でCAFが適応されると100€未満になります。後者の新しいも基本的には変わりませんが、トイレ・シャワーが部屋についています。そして何よりキレイです。値段もその分上がって210€です。これにCAFを適用させると大体120€弱です。古い方に住んでた日本の留学生たちは新しいほうが良かったと言っていましたが、住めば都、1ヶ月ほどで気にならなくなったそうです。自分も汚いところには耐性があったので問題はなかったのですが、幸か不幸か新しいところに住むことができました。ちなみに、それを日本で選ぶことはできません。
どうしても耐えられずホームステイ先を見つけて引っ越した子や、友達同士でルームシェアする案もありますが、一度現地でVISAの申請をしたあとに住所変更をするととても面倒なことになるので、引越しした人はいませんでした。また、ボルドーには交換留学生以外にもたくさんの日本人が住んでいます。高卒で単身フランスの大学に入るために来た人、専門学校を卒業してコスメの学校に通う人、家族をつれて醸造学を学びに来た人、企業から派遣されて研究目的できた人、彼氏がフランス人で、それを追ってきた人...そういう人たちはアパートを借りていたり、一軒家に住んでいたりします。

VILLAGE3に住む隣人たちと VILLAGE3に住む隣人たちと

仏伊独西の美女軍団とアジア人 仏伊独西の美女軍団とアジア人

8、日々の生活@ボルドー
DEFLEでの授業は基本的に週15時間あります。平日の日中は授業に出ます。時間割によっては全休の日があったり、1日じゅう授業の日もあったりします。夜はクラスメイトとご飯を食べに行ったり、日本語学科の学生たちと飲みにでかけたりします。現地に居酒屋・カラオケ・漫喫はありません。それでは、どこで飲み食いするのか。まずはレストラン。基本的に外食は高いです。ランチでも10€出さないと食べられません。夜になると20€なんかざらです。日本みたいに牛丼屋や中華料理屋、お手軽イタリア料理屋なんてありません。マクドナルドも一番安いセットで6€くらいします。それでは、普段どこで食べるか。それの答えは「ケバブ」です。トルコ料理で有名なケバブはフランス国内にどこでもあります。やっている人たちは基本的にアラブ系の移民の人たちですが、これがだいたい3~5€で食べられます。まさに破格。しかもチェーン展開ではなくほとんどが個人のお店なので、お店によって値段や味も全く異なるのがおもしろく、どこのケバブがおいしいか、と捜し歩いて食べ歩きもしました。これは日本のコンビニ以上に数があるので、ぜひご賞味あれ。基本的にスーパーで買う食材は日本以上に安く、じゃがいもや玉ねぎも1㌔1€で売っていたりしますが、外食になると途端に高くなる不思議です。次に飲み屋。飲む場所はいわゆるバーで夜になると多くの人で賑わいます。日本のような飲み放題食べ放題なんていうシステムはないので、バーで1杯3€くらいのビールをちびちび飲んで会話に花を咲かせるといった感じです。また、飲みの時には基本的にはスナックなどの軽いものしか食べないので、お腹をケバブで満たしてから飲み行く、というのが基本でした。誰かの家で飲むことも多く、よく誘われて飲みにも行きました。割り勘という文化もないので、そういう家でのパーティに呼ばれたときにはひとり一品お酒を持参していくのが基本です。そこで役に立つのがスーパーで売っているワイン。これが最安値だと1€を切るのでこれを持って行くと便利。僕はこのおかげもあってか、ワインが好きになりました。基本的に飲んでばっかですね。
さて、そういう週末をすごし、日曜日は何をしましょう。実は日本以外の国で日曜日にお店がやっている国はほとんどありません。フランスも例外ではなく、服屋にスーパー、雑貨屋、レストランにバーまでもほとんど開いていません。日曜日は基本的にみんなが休む日なのです。昼過ぎに起きて、本を片手に公園へ。木陰で読書しているとウトウトしてきてそのままお昼寝、なーんてとっても素敵じゃないですか?休みの日だ、さぁ、どこかに遊びに行かなきゃもったいない!なんて時間に追われることなんてそうそうありません。そういう優雅な時間をすごせるのも、日本を出ないとできませんよね。

ワイン祭のスペクタクル アラブ人の子供たちとのサッカー

夜はお酒に飲まれます 夜はお酒に飲まれます

9、バカンスの過ごし方
フランスにはバカンス、いわゆる休日・連休がとても多くあります。1年間の留学と言っても、実際に授業があるのは7ヶ月ほどしかありません。それでは開いた時間はどう過ごそう、みんなで飲みに繰り出すのも面白いですが、せっかくこっちにいるんだからこちらでしかできないことをやりたくないですか?そうです、旅行です。交通機関はとても安く、フランス国内で1年間有効の学割証みたいなのを49€で買うと、フランス国内のSNCF(フランス国鉄)が25~最大で50%OFFにまでなります。さらにそれを使ってお隣はスペインやドイツまで行くことができ、また、飛行機を使っても指定席のない航空チケットを購入するとロンドンやミラノまで片道80€で行けてしまう手頃の良さ。ユースホステルに泊まれば一泊20€もしません。日本から行くよりもずっと低価格かつ時間もかからないので、せっかくヨーロッパへ行ったのなら、ヨーロッパ一周などいかがですか?さらに、僕は足を伸ばして、アフリカはチュニジアやモロッコにも行ってきました。北西アフリカはフランスの植民地時代の背景もあり、フランス語が使えるところが多くあります。治安はフランスに比べると良くないので、しっかり日本外務省のホームページをチェックしていくのは必須ですね。

有名すぎるモニュメント(コロッセオ・イタリア) 有名すぎるモニュメント(パンテオン神殿・ギリシャ)

シンデレラ城のモデルになったお城(ドイツ) 国内最大のモスク(モロッコ)

世界遺産モン・サン・ミシェル(フランス) 牛の頭に脳みそが味わえる(チュニジア)

10、留学はオススメ...?
留学することはとてもおすすめします。違う世界・社会・人種に出会えます。さらに、今まで自分が日本で20年以上築いてきた価値観をぶち壊せます。そして、自分がどれだけ井の中の蛙だったかを身を持って体験できます。
ただ、忘れちゃいけないのは、留学したからと言って偉くもなんともないです。留学しても結局なんにも変わってない人もいますし、また、排他的な人はそれ以後日本から出ようとしなくなります。自分にとってこの1年というのは、何事においても置き換えることのできない時間でしたが、日本にいても、また世界各国どこでも母国からでなくても、いろいろな発見はできるし、成長できるTPOは揃っています。日本にいたってフランス語を喋ることは可能だし、フランス料理を食べてフランス文化に触れることもできます。その理由は日本が世界的に見てやっぱり裕福なのも一因だと思います。そんな中では別にわざわざ外に出なくても一生を十分におもしろく過ごすことはできます。実際大学を出ていなくたって、いい人とめぐり合って、幸せな仮定を築いていって、その人がそれで満足していれば、きっとそれが一番の幸せなんだと思います。今自分が満たされていると感じていて、特に何の不安も持っていなくて、なにか熱中できることがあれば、わざわざ日本から飛び出さなくなったって、今のご時世インターネットでありとあらゆる情報は取得できます。それでもやはり、体験しないとわからないことや、外ででないと出会えない人種もいると思うので、ぜひ今の怠惰を脱却したい!人生って何?と、考えている人にはぜひおすすめします。自分探しの旅(笑)へ、ぜひでかけてみてください。
お金がないから~とか、時間がないから~とか、話せないし~とか、行きたいのに行けないんだよね~と言っている人たちは自分からしてみれば、ただの言い訳を積み上げてるだけだと思います。お金がないなら1年間バイトをすればいいし、親がうなづかないなら、自分の熱意を本気で真面目に伝えればいいし、授業が忙しいなら、単位を先にとっておいたり休学すればいいし、語学なんて話せなくて当たり前です、赤ちゃんだって最初は言葉しゃべれないでしょう?そういう人たちはきっと本気で日本をでたいと思っていません。もし、本当に外の世界を知ってみたいなら、絶対に妥協せずにできるはずだと思います。妥協なんて言葉が使うこともできない国も見てきました。日本は妥協する、ということができます。それがどれだけ恵まれていることか知っていないだけだと思います。まぁ、もちろん、それも外の世界に出たことがないとわからないと思いますが...。
どちらにしろ、留学することが良いことか悪いことかは、留学したことがある人にしかわかりません。実際に経験してないのに否定したり肯定できるわけはないと思っているので。学生のうちは無茶がききます。その無茶で、ちょっと寄り道したって、いいじゃないですか。人生は何度でもやり直しがきくとか、不可能なことなんてこのよにないとか、無責任なことはとても言えませんが、どこにだっているフツーの人間の自分ができたことは、きっと多くの人もできることだと思っています。

最初は言葉がわからなくてもおもしろおかしく過ごせた友人たち 最初は言葉がわからなくてもおもしろおかしく過ごせた友人たち

旅行の相方たち 旅行の相方たち

11、最後に
ここまで辛抱して読んでくれた人、どうもありがとうございました。最後に僕が経験する前に書いた疑問を箇条書きで載せておきます。留学したときにもぜひその答えを見つけてきてください。そして自分と答え合わせしましょう。案外共通解はないのかも...?また、ボルドーはもちろん、その他各国に留学を考えている人たちはぜひ力になりたいと思っているのでぜひ、ご一報ください。それでは。

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